嘔吐

嘔吐の原因
- 溢乳(いつにゅう)
- 呑気(どんき)
- 咳戻し
- ミルクアレルギー
- 胃食道逆流症
- 肥厚性幽門狭窄症
- 食道狭窄
- 十二指腸狭窄
- 腸閉塞(イレウス)
- 腸炎
溢乳と呑気
溢乳はミルクを飲んだあとに赤ちゃんの口から少量たらたら垂れることで、正常な現象で問題ありません。
呑気とは赤ちゃんが泣いたり、ミルクを飲む際に空気を一緒に飲むことで、げっぷが足りないと、おなかに空気がたまり吐いてしまいます。
咳戻し
咳上げともいいますが、こどもの咳があまりにひどいと、咳をしたときに食べたものをいっしょに吐いてしまいます。
1日1回程度であれば問題ありませんが、回数が多いと脱水になってしまうことがあり、点滴や入院が必要になることがあります。
ミルクアレルギー
母乳は大丈夫なのにミルクを飲むと吐いたり、下痢したり、血便がでることがあります。
下血や嘔吐は少ないですが、牛乳に含まれる乳糖を消化できない乳糖不耐症という病気もあります。
いずれも、それぞれに対応したミルクが売られています。
胃食道逆流症
食べたものが胃から食道に戻ってしまうもので、大人では逆流性食道炎と言い、誤嚥性肺炎や食道がんの原因にもなります。
赤ちゃんでは胃食道逆流は正常ですが、座れるようになったり、立てるようになるとおさまってきます。
1歳をこえてもおさまらなかったり、肺炎を繰り返す場合には検査や治療が必要です。
肥厚性幽門狭窄症
生後1か月になると胃の出口、幽門が厚くなります。
厚くなりすぎると、飲んだミルクが先に進まず吐いてしまいます。
『噴水状嘔吐』といって、たくさん吐くのが特徴です。
入院して注射で幽門を開く方法もありますが、期間もかかり、手術のほうが確実です。
食道狭窄
ミルクを飲んでいる間は問題ありませんが、離乳食や固形物を食べるようになると嘔吐してしまうことがあります。
嘔吐だけでなく、喘息のような症状で発見されることもあり、狭窄部のバルーン拡張や手術で治療します。
大きい子では食道の入り口、噴門が開かない食道アカラシアという病気もあります。
十二指腸狭窄
生まれつきの病気で、完全に閉鎖している十二指腸閉鎖の一部です。
十二指腸より先に食べ物が進めず吐いてしまいます。
完全に閉鎖している場合には、羊水が増えるのと、胃と十二指腸が太くなることから出生前診断ができます。
治療は手術になります。
十二指腸閉鎖はダウン症の子に多く見られます。
腸閉塞(イレウス)
腸の途中から先に食べ物が進まず、おなかが痛くなったり、吐いたりしてしまいます。
中腸軸捻転のように腸が捻じれたり、鼠経ヘルニア嵌頓のように腸がはさまったりする場合を絞扼性イレウスといい緊急手術が必要です。
腸の動きが悪くなる麻痺性イレウス、手術の際に腸とおなかのなかがくっつく癒着性イレウスなどがあります。
ケトン性低血糖
昼間遊んでいて、夜ごはんを食べずに寝てしまうと、朝からずっと吐き続けることがあります。
人間は体に糖がないと、自分の体を分解して糖を作ります。
この時にケトン体という物質ができて吐き気を起こします。
吐き続けるとさらにケトン体ができて、点滴治療が必要になります。
ケトン性嘔吐症
周期性嘔吐症、自家中毒ともいわれますが、感染やストレスなどが原因で吐き気を起こします。
ケトン性低血糖と同じように、一旦吐いてしまうと、ケトン体がたまり、さらに吐き気を起こし吐いてしまいます。
やはり点滴治療が必要になります。