超音波検査

頭部超音波
頭部超音波(エコー)は、新生児や乳児など頭の骨のすきまがまだ開いているときにしか行うことはできませんが、脳内の病変を発見することができます。水頭症や脳腫瘍の観察も行うことはできますが、クリニックではケガしたときの頭蓋内出血の発見に役立ちます。
頸部超音波
頸部超音波(エコー)では、中央部では甲状腺、外側では耳下腺などの唾液腺、また頸部リンパ節を観察することができます。おたふく風邪における耳下腺の観察や頸部リンパ節炎におけるリンパ節の大きさや形の観察、頸部腫瘤や先天性瘻孔の診断に使用されます。
心臓超音波
心臓超音波(心エコー)は、大人では心臓の収縮力や壁の動きなどの心機能、心嚢水の有無などの観察に使われます。小児では、先天性心疾患など構造の異常や、川崎病における心臓のの血管(冠動脈)の異常、ウイルス性心筋炎における心機能の異常の発見などに使われます。
乳腺超音波
乳腺超音波(エコー)は、大人では乳がん検診などで乳がんの早期発見に役立ちます。小児でも、乳腺腫瘤の発見に使われることもありますが、思春期早発症が疑われる際に乳腺の発育状況を観察することができます。
腹部超音波
腹部超音波(エコー)では、大人と同様、肝臓や胆嚢、膵臓、腎臓、膀胱の異常やがんの有無、腹水の有無を観察できます。小児では皮下脂肪や内臓脂肪が少ないため、腸の観察も簡単に行うことができ、腸炎の重症度、虫垂炎や腸重積の有無、便秘の程度もわかります。
皮下・陰嚢超音波
皮下超音波では、さまざまな部位の腫瘤やリンパ節の観察、中心静脈など太い血管へ点滴するときや点滴が難しいときの血管を探すのにも役立ちます。陰嚢超音波では、陰嚢水腫か鼠径ヘルニアかの診断、停留精巣での精巣位置、精巣捻転が疑われるときの精巣への血流の有無を観察することができます。