くびの症状

数週間経ってもしこりが治らない場合には、医師が検査を行い、より深刻な病気が隠れていないかを調べることがあります。
くびの病気
こどものくびの病気の多くは、超音波診断が役に立ちます。
- 耳下腺炎
- 頸部リンパ節炎
- 先天性瘻孔、嚢胞
- 甲状腺疾患
流行性耳下腺炎
耳の下が腫れて痛む病気ですが、副睾丸炎や膵炎、髄膜炎を起こすことがあり、その場合は入院が必要です。
1週間後くらいに難聴を起こすこともあります。
治療法は安静で、症状が出てから5日間は学校にいけません。
反復性耳下腺炎
耳下腺炎を繰り返す病気で、流行性耳下腺炎と違い感染しません。
超音波検査でどちらか見分けられるときもあります。
どちらか難しい場合は採血検査が必要ですが、結果がわかるのに1週間かかります。
頸部リンパ節炎
耳や鼻、のどに炎症があると首のリンパ節が腫れます。
風邪だけに限らず、花粉症などのアレルギー疾患でもみられます。
小学校低学年くらいに一番大きくなり、正常でも触れます。
川崎病や悪性リンパ腫などの全身性の病気でも腫れることがあります。
先天性瘻孔・嚢胞
うまれつき、首に穴が開いていたり、水のたまりがあることがあります。
感染すると、切開排膿といい、膿を出さなければならず、いずれも感染を繰り返し、手術が必要になることが多いです。
耳(耳前瘻孔)や鎖骨上にも瘻孔があることがあります。
頸部瘻孔・嚢胞
正中頸嚢胞:首の真ん中にのど仏のように水のたまりができます。
側頸瘻:首の横に穴が開いていて、感染することがあります。
梨状窩瘻:食道の入り口から首の左側に道があり腫れることがあります。
甲状腺疾患
甲状腺は首の真ん中に蝶々のような形であります。
甲状腺の炎症や腫瘍で腫れることがあり、つばを飲み込むときにはっきりします。
超音波検査を行うとともに、採血検査で甲状腺機能の値を測定します。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
バセドウ病がもっとも多く、目が大きくなり、首がはれて、やせ、脈が速くなります。
内服治療が基本ですが、手術が必要になることもあります。
バセドウ病のおかあさんから生まれると赤ちゃんも一時的に高くなることがあります。
甲状腺機能低下症(クレチン病)
うまれつき、甲状腺機能が低い病気にクレチン病があります。
元気がなく、体の発育が悪く、巨大舌や臍ヘルニアがあることがあります。
そのままだと知能も低下してしまうので、早期に治療が必要です。
産科入院中にマススクリーニング検査を行い、みな調べます。