黄疸

黄疸の原因
黄疸の原因は大きく3つあります。
①分解するものが多すぎる
②グルクロン酸抱合ができない
③胆汁が出せない
生理的・母乳性黄疸
赤ちゃんは赤血球が多く、グルクロン酸抱合の機能も十分に育っていないため黄疸は正常で、これを生理的黄疸と言います。ほとんどの場合経過をみますが、あまりに高くなった場合には、光線療法を行って、グルクロン酸抱合を促します。母乳を飲んでいる子も黄疸になりますが、これも母乳性黄疸といって様子をみます。
灰白色便
グルクロン酸抱合されても、胆汁が出せないと黄疸になります。胆汁が出せないとうんちが白くなります。この便の色を示したものが、母子手帳に載っており、生後1-2ヶ月で、白〜クリーム色であれば胆道閉鎖症を疑います。胆道閉鎖症は生後2ヶ月以内に手術する必要があるため、白い便をみたら小児外科をすぐに受診してください。
胆道閉鎖症
胆管という胆汁の流れる道がなくなっています。道が詰まっても同じ症状が出るためには、手術してみなければ、どちらかはわかりません。腹腔鏡で、手術中に造影検査をして、胆管があれば手術は終わります。胆管がなければ胆道閉鎖症なので葛西手術を行います。葛西手術で改善がない場合は、肝移植が必要になります。
ビタミンK
赤ちゃんは生直後、一か月健診でビタミンKの入ったシロップを飲みます。ビタミンKは出血をとめる効果がありますが、胆汁がないと吸収できないため、脳出血を起こして胆道閉鎖症だとわかることもあります。
体質性黄疸
胆管はあり、グルクロン酸抱合も行われていますが、機能が弱かったりするものに体質性黄疸があります。診断には、胆道閉鎖症ではないことと、詳細な検査が必要になるため、大学病院やこども病院に行く必要があります。様子をみるだけのことが多いですが、肝移植が必要になることもあります。
脾腫
分解するものが多い場合、脾臓が大きくなり脾腫になります。赤血球の形の異常がある遺伝性球状赤血球症やサラセミア、異常な血球が増える白血病、免疫細胞が血液を壊してしまう血球貪食症候群では脾腫となります。脾腫になると正常な血小板も壊してしまい、アザができたり、脳出血を起こしたりすることがあるため、手術で脾臓を取ることがあります。