心臓の症状

心房中隔欠損症
後天性心疾患には、感染性心内膜炎、川崎病後の冠動脈瘤、ウイルス性心筋炎などがあります。
心臓は4つの部屋から出来ていますが、血液が帰ってくる左右の部屋、心房の間に穴があいている状態です。
赤ちゃんのうちはほとんど症状がありません。
乳幼児健診で心雑音として発見されることが多いですが、自然に閉鎖することは少なく、手術(パッチ閉鎖)やカテーテル治療が行われます。
心室中隔欠損症
今度は、血液が出ていく左右の心室の間に穴が開いている状態です。
先天性心疾患の1/4ですが、半分以上は自然閉鎖します。
穴が小さいものは無症状で心雑音で発見されますが、大きなものは、心不全になってしまいます。
大きなものはパッチ閉鎖手術が行われます。
動脈管開存症
生まれる前は大動脈と肺動脈の間に動脈管という管があります。この管が生まれた後も開いている状態です。
軽症では無症状であり心雑音を示します。
赤ちゃんのうちであればお薬の治療を行いますが、改善しない場合には、カテーテル治療(コイル塞栓)や動脈管結紮術が行われます。
ファロー四徴症
心室中隔欠損に肺動脈狭窄、大動脈騎乗、右室肥大がくわわった状態です。
チアノーゼ性心疾患といって、顔色が急に悪くなる症状を示す疾患の一つです。
内服薬で症状をおさえつつ、1歳ころに手術を行いますが、症状が強ければ、BTシャントという手術を先に行うこともあります。
感染性心内膜炎
先天性心疾患では正常とは血液の流れが異なり、抜歯などで体に菌が入った場合にそれが心臓にくっつくことがあります。
ここで血栓を作り脳梗塞を起こしたり、心臓の弁にくっついて弁膜症を起こすこともあります。
このため、抜歯や処置の際には抗生剤を飲む必要があります。
川崎病による冠動脈瘤
川崎病は全身の血管炎で、心臓の血管、冠動脈にも炎症が起き、冠動脈瘤を作ります。
冠動脈瘤は狭心症や心筋梗塞の原因にもなり、破裂することもあります。
冠動脈瘤は時間が経ってからできることもあり、はじめになかったとしても治療後外来にて超音波で経過をみていく必要があります。
ウイルス性心筋炎
風邪のウイルスによって起こり、風邪症状とともに胸痛やチアノーゼが起きることがありますが、小さい子では診断が難しいです。
採血で筋肉の壊れる値が増え、超音波検査では心機能の低下がみられます。
薬での治療が難しいときには、PCPSやECMOといった器械を使った治療が必要になります。