成長ホルモンGROWTH

成長ホルモン

成長ホルモン
成長ホルモンは、子どもの体の発育を支える大切なホルモンです。身長の伸びに関わるだけでなく、健康的な成長の指標としても重要な役割を果たします。

低身長

母子手帳の後ろには標準曲線があり、身長が-2SD~+2SDの間にあるときは、同じ年の子の95%に含まれています。-2SDよりも小さいときは低身長を疑います。生まれてきたときから小さい子は、-2SDの曲線に近づいてきていれば問題ありません。

予想身長

お父さん、お母さんの身長からその子の将来の身長の予想値が出せます。
男の子の場合 (父の身長+母の身長+13)÷2+2
女の子の場合 (父の身長+母の身長-13)÷2+2
成長曲線がその予想値に沿っていれば、家族性低身長といえます。離れていたら、病気が隠れている可能性があります。

骨年齢

低身長の診断には左手のレントゲン撮影を行います。骨年齢という実際の年齢とは別に骨がどのくらい成長しているかがわかります。実際の年齢よりも骨年齢が若ければ、まだその身長に到達するのが遅いだけで、骨年齢に相当する身長があれば問題ありません。

成長ホルモン

低身長では、甲状腺ホルモンや成長ホルモンの分泌が少ないときがあります。甲状腺ホルモンの内服や成長ホルモンの自己注射が必要になります。成長ホルモンが重度に足りない場合、将来的にメタボリックシンドロームをきたしやすいと言われています。

補充療法

成長ホルモン補充療法には条件があります。
①身長が-2SD以下 or 2年間の成長速度が-1.5SD以下
②成長ホルモン負荷試験により成長ホルモンの分泌を2種類以上認めない
条件にあてはまらない子の身長を伸ばす効果はわずかであり、また大量の成長ホルモンを投与することで、悪性腫瘍や心疾患を起こす可能性もあります。

補充療法の病気

成長ホルモン分泌不全性低身長以外にも補充療法を行う病気があります。
①染色体異常 ターナー症候群 プラダーウィリー症候群
②SGA性低身長 実際の週数よりも小さく生まれた子
③骨や軟骨の病気 軟骨無形成症 軟骨低形成症
④心臓や肝臓、腎臓の病気による低身長

高身長

高身長は問題がないようにみえますが、成長ホルモンを出す脳腫瘍があったり、思春期早発症の可能性もあります。思春期早発症では、はじめは高身長ですが、最終的に低身長になります。原因には思春期を起こす性ホルモンを出す腫瘍が卵巣や精巣にある場合もあります。