発熱FEVER

発熱

発熱
こどもの発熱の大部分は感染症であり、特にほとんどがウイルス感染です。
『かぜ』と言われているものがこれに含まれます。
抗生剤は細菌感染にしか効果がなく、耐性菌の発生にもつながるので細菌感染を疑わなければ使いません。
中耳炎や尿路感染は細菌性であり、溶連菌、マイコプラズマでは抗生剤が有効なため使います。
発熱の原因
  • 感染症(ウイルス、細菌など)
  • のど、はな、みみ、肺
  • 腸(腸炎、虫垂炎など)
  • 尿路感染
  • 髄膜炎
  • 川崎病
  • 自己免疫疾患・膠原病
  • 若年性特発性関節炎、リウマチ熱
  • 全身性エリテマトーデス
  • 悪性腫瘍(がん)
  • 白血病、悪性リンパ腫など
感染症の広がり

はじめははなやのどに感染し、鼻水や咳が出ます。
ウイルスが肺に達すると肺炎になってしまいます。
生まれて半年はお母さんの免疫があり、かぜはひきにくいです。
はじめての高熱は突発性発疹のことが多く、熱が下がったときに発疹が出ます。
RSウイルス感染はお母さんの免疫が効かず、赤ちゃんほど重症化しやすく、新生児では入院が必要になります。

解熱剤について

ウイルスや細菌は熱に弱いため、人間はわざと熱を出します。
熱を下げては逆効果になってしまいますが、熱が高すぎると自分がまいってしまいます。
元気であれば使う必要はなく、ごはんが食べられない、ぐったりしているときに使いましょう。
ウイルス感染では脳炎、脳症を起こすので解熱剤はアセトアミノフェンにしてください。

熱性けいれん

熱が出るとけいれんすることがあります。
左右対称のガクガクしたけいれんが数分で終わるのであれば、おさまった後、医療機関に連絡してください。
左右非対称、熱がないのにけいれんしている、10分以上続く場合は救急車を呼んでください。
泣いていると呼吸が止まって、けいれんすることがあります。
これを憤怒けいれん(泣き入りひきつけ)といいます。

尿路感染症

こどもでは、尿道から菌が入ることを尿路感染といい、発熱以外の症状はあまりありません。
乳児期は包皮の下に菌が入りやすく男の子に多いですが、それ以降は女の子に多くなります。
尿路感染症は抗生剤治療で改善しますが、繰り返す場合、別の病気が隠れていることがあります。

尿路感染を起こす病気

膀胱尿管逆流
膀胱にたまった尿が腎臓に逆流する病気で、自然に治ることもあります。
水腎症
腎臓から膀胱に向かう尿管に狭い部分があり、腎臓の出口が拡大します。
尿管瘤
尿管にこぶができ尿の流れが悪くなり、水腎症、水尿管症を起こします。
異所性尿管
尿管が本来の位置とは違う場所につながるもので、膀胱外のときもあります。

髄膜炎

発熱し、頭痛や嘔吐します。
細菌性は肺炎球菌、ヒブによるものが多かったですが、ワクチンにより減少しました。
現在はおたふく風邪、手足口病、ヘルパンギーナなどのウイルス性が多いです。
細菌性を疑うものは、背中に針を刺し髄液を調べます。

川崎病

熱が5日以上続いて、目が赤くなったり、唇やベロが赤くなったり、首のリンパ節が腫れたり、BCGを打ったところが赤く腫れたりします。
抗生剤の効果もなく、採血検査で炎症反応や肝機能が上昇します。
全身の血管の炎症で、心臓の血管に瘤ができることがあり、治ったあとも定期的な小児循環器受診が必要です。