こどもの下痢DIARRHEA

こどもの下痢

こどもの下痢
子どもの下痢は、多くの場合、腸炎が原因です。
下痢の回数が非常に多い、量が多い、ぐったりしている、血が混じっているといった場合は、早めに医療機関を受診してください。
こどもの便秘について

下痢を起こす疾患の多くは腸炎です。
感染性腸炎(細菌、ウイルス性)
炎症性腸疾患
ほかには、アレルギー、乳糖不耐症、短腸症候群、過敏性腸症候群、薬剤性下痢などがあげられます。

感染性腸炎

感染すると菌を外に早く出そうとするため、はじめは嘔吐して胃から出そうとしますが、1〜2日経つと腸に達するため、下痢して出そうとします。
嘔吐を止める薬や下痢を止める薬は、菌を体内に残らせてしまうため、感染性腸炎では使いません。
小児の場合、嘔吐が5回以上、下痢も10回以上と多くなると脱水になってしまうため、点滴が必要になります。

細菌性腸炎

サルモネラは卵や動物の腸から感染することが多く、生卵を処理せず食べると感染します。
カンピロバクターは鶏肉に多い細菌で、食べて日にちが経ってから症状がでます。血便が出ることもあります。
O157は牛や豚など生肉で感染します。血便が出るとともにベロ毒素という毒素が体中にまわり、腎不全になったり死亡することがあります。

ウイルス性腸炎

ノロウイルスは冬に多く、カキや貝から感染して嘔吐、下痢を起こします。
ロタウイルスは乳幼児冬季下痢症といわれ、白いうんちが特徴です。重症化すると、脳炎や脳症を起こすため、ワクチン接種が行われています。
アデノウイルスは眼に感染すればはやり眼、のどに感染すればプール熱を起こしますが、腸に感染して腸炎を起こすこともあります。

炎症性腸疾患

潰瘍性大腸炎は、大腸に炎症を起こし、腹痛、下痢、下血をきたします。将来的にがん化することもあり、定期的な受診が必要です。
クローン病は、大腸に限らずあらゆる腸に炎症を起こします。肛門周囲膿瘍、痔ろうを起こすこともあります。
大腸カメラで診断し、サリチル酸、ステロイドや免疫抑制剤による治療が行われます。サイトカインを抑える注射剤も使われます。

過敏性腸症候群

ストレスや自律神経の異常により、下痢が続いたり、便秘と下痢を繰り返したりします。
血液検査や尿検査、便の培養検査、超音波検査(あるいはCT)で異常がなく、胃カメラや大腸カメラでもなにもないことを確認する必要があります。
整腸剤や消化管機能調整薬、漢方薬などが使われますが、それだけでは改善しないことも多いです。

薬剤性下痢

下剤の飲みすぎでは下痢をします。
抗生物質を飲むと、正常な腸内細菌も除菌され下痢をすることがあります。
それ以外にも、さまざまな薬剤で下痢を起こすことがあります。
お薬を飲んでいる場合、それをやめることで下痢が改善することがあります。