意識障害

意識障害の原因
- 頭部外傷
- 低血糖や電解質異常
- 貧血
- 脳疾患、てんかん
- 不整脈など循環器疾患
- 起立性調節障害
- 低酸素
- 心因性反応
頭部外傷
こどもはスポーツや遊びのなかで、頭をぶつけることがたくさんあります。
キズができたり、こぶができることもありますが、それがなくても脳震盪のように意識を失うことがあります。
なかには、脳出血やクモ膜下出血のように脳内に出血を認めることもあります。
採血検査異常
こどもは低血糖を起こしやすく、冷や汗をかいたり、顔色が悪くなったりすることがあります。
熱中症になると、体の水分や塩分が失われ意識を失うこともあります。
それ以外の電解質の異常や体の酸、アルカリのバランス、肝臓、腎臓の異常でも意識を失うことがあります。
貧血
成長期になると、体の成長に血液の生産が追い付かず、貧血になりがちです。
女の子では、生理も始まり鉄分が足りず貧血になってしまいます。
それ以外にも、大量に出血したときや、血液の病気で貧血になることがあります。
貧血になると、血圧が下がり意識を失ってしまいます。
脳疾患、てんかん
脳腫瘍では脳内の圧があがり、意識を失うことがあります。
脳血管に異常があるもやもや病、脳動静脈奇形などでは出血したり、脳に血液がいかなくなったりして、意識を失います。
てんかん発作のなかには、けいれんを伴わず、一時的な意識消失を起こすものもあります。
循環器疾患
不整脈や心疾患では、脳に酸素がいかなくなったり、血栓が飛んで脳梗塞を起こしたりして、意識消失をおこすことがあります。
不整脈によっては突然死をおこすものもあり、学校心臓検診にて異常があった場合は、小児循環器外来を受診してください。
起立性調節障害
朝礼の最中に倒れてしまう子がいますが、自律神経の調節が難しく、立ちあがると血圧が下がって倒れてしまう症状がでます。
起立性調節障害では、朝に症状が強く朝起きれないなどの症状が出ます。
質問と実際に脈拍、血圧をはかる検査をし、薬もありますが、症状をおさえるのがなかなか難しいです。
低酸素
呼吸の異常や脳疾患、循環器疾患では脳に行く酸素の量が減り意識障害を引き起こします。
過換気症候群は呼吸をしすぎて息が苦しくなりますが、これは二酸化炭素は減りますが、酸素は十分に足りているため、低酸素にはなりません。
心因性反応
なんらかのストレスや心的外傷を原因として自己防衛的に意識を失うこともあります。
これは解離性障害と呼ばれます。
ほかの原因を検査して見つからなかったときに考える疾患です。